2015  保坂毅:Takeshi Hosaka

 

 

保坂毅:Takeshi Hosaka

“ 2 x 4 x 2 + 0 ”

 

2015, Jun. 6 ( Sat. ) ー  27 ( Sat. )

 

 

 

 

保坂毅は2010年、神奈川県立近代美術館 葉山での「Primary Field Ⅱ」展に招待されるなど、近年注目を集めている抽象画家です。

保坂の抽象画の特色はその支持体がキャンバスではなく、立体であるという事です。抽象画の歴史において、余白を切り取られ、描かれた図だけのシェイプトキャンバスや、ステラの3次元的な抽象画がありましたが、保坂の絵画はそれとも微妙に異なっています。保坂の絵画においてはあくまでも正面からの見え方が基本になっているという事、そして作品だけでは無く見る人の視点までの距離も作品に含まれるという事です。保坂の作品の前では、私達はあくまでも2次元の絵画を見ている様な気になるのですが、視界に何か陰影の様な違和感を覚えます。作品の前を移動する事により初めて、その違和感が支持体の持つ凹凸や色彩から来るものである事が認識されるのです。保坂の作品の凹凸やそこに塗られた色彩が表現する複雑な視覚効果・イリュージョンは、作品とその設置された場所と、観る者の視点までの距離で刻一刻と表情を変えます。時には均質に、また有る時は少しばかりの筆跡も感じられる様な情感ある絵の表面は、抽象画はクールであると言う認識をも揺さぶりながら、絵画の可能性を夢見させてくれます。

鮮やかな色彩が魅力の一つでもある保坂の作品ですが、今回は敢えてモノクロームの作品で勝負致します。昨年武蔵野美術大学の展示スペースgFALで展示された作品に、新作を交えた構成にてご覧頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

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