西村陽平:Yohei NISHIMURA

 

 

西村陽平は1947年京都市生まれ。1973年東京教育大学教育学部芸術学科卒業。千葉県立千葉盲学校教諭を経て、日本女子大学家政学部児童学科の教授を2016年まで勤めていました。1970年代半ばに作家としてのキャリアをスタートした西村は、その当初から「現代陶芸の旗手」として注目を集めました。しかし西村の作品は、土を使うわけでもなく、また手技もそこには全く介入していません。ただ彼は焼成=熱という根源的な技法のみを使い、見慣れた物が変容していく様を提示し、私たちの認識に強く問題提起を促す作品を制作したのです。西村の創作の根底には、学生時代に手解きを受けた走泥社の里中英人と、当時欧米から伝わったミニマル・コンセプチュアルアートの影響があると思われます。時代を考慮に入れるなら、西村は陶芸をコンテンポラリーアートに橋渡しした最初期の作家の一人と言えます。西村の作品の特徴は、シンプルな手法を用いて、日常のものを多様な意味を持つ作品に生まれ変わらせる事です。そのことは、焼成した作品も、また焼成を用いない作品でも貫かれています。「走泥社」の評価が定まった現在、その後継者たる西村の評価もさらに進めて、現代陶芸作家ではなくミニマルもしくはコンセプチュアルアートのアーティストとして考える時期では無いかと強く思います。

 

 

Yohei Nishimura was born in 1947 in Kyoto, Japan, and graduated from Tokyo University of Education with a Bachelor of Arts in Education in 1973. After working as a teacher at Chiba Prefectural School for the Blind, Nishimura served as a professor in the Department of Children's Art at Japan Women's University until 2016.Nishimura began his career as an artist in the mid-1970s, and from the very beginning he attracted attention as a “standard-bearer of contemporary ceramic art.” However, Nishimura's works do not use clay, nor does he intervene by craft at all. He uses only the fundamental technique of firing, or heat, to create works that strongly challenge our perceptions by presenting the transformation of familiar objects. Nishimura's creative process seems to have been influenced by Hideto Satonaka of Sodeisha, who taught him when he was a student, and by minimalist conceptual art from Europe and the United States at the time. If one takes into consideration the time period, Nishimura was one of the first artists to bridge the gap between ceramic art and contemporary art. Nishimura's work is characterized by the use of simple techniques to transform everyday objects into works of art with diverse meanings. This is true of both his fired and unfired works. Now that the reputation of Sodeisha has been established, I strongly believe that it is time to further evaluate its successor, Nishimura, not as a contemporary ceramic artist, but as a minimalist or conceptual artist.

 

 

歴:Biography

 

 

1947 京都市生まれ

1973 東京教育大学教育学部芸術学科卒業

1974 千葉県立千葉盲学校教諭(1998年まで)

2001 日本女子大学家政学部児童学科助教授(2006~教授、2016年まで)

 

個展

2022 西村陽平「物質と記憶」GALLERY ZERO、大阪

    「西村陽平展」Contre Contre サン・モーリス/スイス

2021 「FIRED BOOKS」画廊香月/東京

    「君たちはどう生きるか」画廊香月/東京

2020 「西村陽平展 野の花のように」画廊香月/東京

2019 「西村陽平展」画廊香月/東京

2018 「西村陽平展 FOUR-LEAF CLOVER IN 1938」ギャルリ・プス/東京

    西村陽平「フリードリッヒ、芭蕉、二上山をつなぐもの」GALLERY ZERO、大阪

2017 「西村陽平展」ギャラリー飛鳥/東京

    西村陽平「死者の書」GALLERY ZERO、大阪

2016 「死者の書 西村陽平展」EMERGENCY/ヴェヴェ/スイス

2014 「西村陽平展」ESPACE MURAILLE/ジュネーブ

2013 「時間と記憶 西村陽平展」Cavin-Morris Gallery/New York

2012 「彫刻を聞き、土を語らせる 西村陽平展」愛知県陶磁美術館

    「西村陽平が出会った子どもたち展」愛知県陶磁美術館

2011 「TIME & MEMORY 西村陽平展」芸術館/香港

    西村陽平「時間と記憶」GALLERY ZERO、大阪

2010 「これは本ではない」うらわ美術館

2009 「去った熱―西村陽平展」Cavin-Morris Gallery/New York

1993 「西村陽平展」Keramik Galerie Bowin/ハノーバー・ドイツ

    「西村陽平の世界 伝道の書展」三菱地所アルティアム/福岡

1992 「手で見る静寂 西村陽平と子どもたち展」福岡市美術館

    「西村陽平展」伊勢丹新宿美術画廊

1987 「西村陽平展」INAXギャラリー/東京

1980 「西村陽平展」ギャラリーせいほう/東京

 

 

 

 

グループ展

2022 「ジャン ポール・ブレ/西村陽平 二人展」Great Fountain Gallery シオン/スイス

    「Athanor」プーシキン美術館/モスクワ

    「RENCONTRE-ジャンポール・ブレ/西村陽平」ギャラリー睦/千葉

    「アートラボ2021第Ⅱ期 西村陽平展」長野県立美術館

2021 「令和3年度呉市立美術館コレクション展Ⅱ 呉美の陶芸作品そろい踏み+α」

     呉市立美術館

    「ふれてみて」長野県立美術館

    「Terre a terre」Charmey Museum/スイス

2018 「触れる美術展2018手から始めよう」ギャラリープラザ長野/長野市、

主催:長野県信濃美術館

2009 「ADVENTURE OF THE FIRE」ワールド セラミック ビエンナーレ/韓国

    「近代工芸の百年」東京国立近代美術館工芸館

2006 「近代工芸の百年」東京国立近代美術館工芸館

    「陶磁―日本陶芸の伝統と前衛」フランス国立陶磁美術館

2002 「陶磁―日本陶芸の伝統と前衛」フランス国立陶磁美術館

2001 「本という美術」うらわ美術館

2000 「現代美術百貨店」山梨県立美術館

1998 「チバ・アート・ナウ ‘97現代美術というジャンル」佐倉市立美術館

1996 「アートシーン90・96」水戸芸術館

    「サントリー美術館大賞特別展 ‘96挑むかたち」サントリー美術館

1995 「戦後文化の軌跡1945-1995」目黒区美術館

1990 「サントリー美術館大賞展 ‘90-挑むかたち」サントリー美術館

    「作法の遊戯―‘90春・美術の現在」水戸芸術館

1989 「ユーロパリア‘89ジャパン」モンス市立美術館/ベルギー

1987 「今日の造形 土と炎展」岐阜県美術館

1985 「第2回アジア美術展」福岡市美術館

1984 「現代の陶芸Ⅱ」山口県立美術館

1983 「カナダ巡回現代陶芸展」主催:国際交流基金

    「今日の美術-日本とイギリス展」東京都美術館

1982 「イタリア巡回現代陶芸展」ローマ・ファエンツァ/イタリア

1980 「CLAY WORK やきものから造形へ」西武大津店・西武池袋店

1977 「現代美術の鳥瞰展」京都国立近代美術館

    「第4回日本陶芸展」外務大臣賞受賞

 

 

 

 

パブリックコレクション

京都国立近代美術館

東京都現代美術館

山口県立美術館

呉市立美術館

パリ装飾美術館

東京国立近代美術館工芸館

エバーソン美術館/ニューヨーク

和歌山県立近代美術館

ビクトリア&アルバート美術館/ロンドン

愛知県立美術館

国立国際美術館

滋賀県立近代美術館

山梨県立美術館

東京オペラシティアートギャラリー

高松市美術館

滋賀県立陶芸の森美術館

うらわ美術館

千葉市美術館

愛知県立陶磁美術館

群馬県立館林美術館

フランス国立陶磁美術館

コーネル大学美術館

岐阜県現代陶芸美術館

アリアナ美術館/ジュネーブ

ニヨン陶磁美術館/ニヨン・スイス

MINKA Muse de Arte Moderno/ブエノスアイレス・アルゼンチン

長野県立美術館

シャルメ美術館 Charmey Museum / スイス

兵庫陶芸美術館

プーシキン美術館/モスクワ