保坂毅:Takeshi Hosaka
保坂毅は1980年福島県生まれ。2005年武蔵野美術大学大学院油画コース修了。東京を拠点に制作しています。保坂毅はオブジェのような立体的な支持体に、ストライプ・チェックあるいは単一の色面などを描いた作品を発表してきました。観る者の視点の移動により3次元や2次元に見えたりするオブジェ的絵画は、空間と観客の視点に関する実験と言えるものでした。
6月の個展「ケのbiの図」で、保坂は今までの試みを1枚の「絵画」という2次元に還元・統合しようとしています。それは昨年彼が観た「マチス展」や「ホックニー展」から大きな影響を受けてのことです。マチスの絵画もよく見ると、複層の空間や形態が色彩と複雑に絡み合った構造をしています。またホックニーの肖像画には現実空間の延長としての場がキャンバス上に淡い光と共に展開されています。今回展示する「debris」の小品シリーズは、キャンバス作品の中の色面の一部分だけを取り出し、木に彩色した作品です。展示する壁をキャンバスに見立て、それぞれの作品がどの方向でも自由に展示・構成できます。福島出身の保坂は、作品タイトルに「デブリ」と銘打つ事で、ある歴史的な事件もこれらの作品の中に込めています。蓄光顔料を用いた今回の作品は、ほんの少し光るのです。かつて軍用腕時計の文字盤には夜光塗料としてラジウムという放射性物質が使用されていました。そしてその作業には、危険性を知らされることも無いまま、多くの女性工場労働者が従事させられていたのです。
今回の作品達には、彼の現時点での様々なコンセプトと今後の展開が込められています。
作品収蔵 神奈川県立近代美術館 葉山
略歴:Biography
1980 福島県生まれ
2005 武蔵野美術大学大学院油画コース修了
個展
2017 「if else if」GALLERY ZERO、大阪
2016 「rearrangement」双ギャラリー、東京
「around and around」A-things、東京
2015 「2×4×2+0」GALLERY ZERO、大阪
2014 「BACKGROUND」gFAL、東京
「drive in the house」アルマスギャラリー、東京
2011 「色いろイロ」A-things、東京
2009 「Work」遊工房アートスペース、東京
「矯めつ眇めつ」A-things、東京
2007 Art Trace Gallery、東京
2006 Art Trace Gallery、東京
グループ展
2014 「Dynamics of expression」アルマスギャラリー、東京
2012 「たてよこたかさ=L×W×H」A-things、東京
2011 「TRIO-A-DOT」A-things、東京
2010-11 「Primary Field Ⅱ」神奈川県立近代美術館 葉山、神奈川
2010 「TRIO-A-GRID」A-things、東京
2009 「サイボーグの夢」Art Trace Gallery、東京
「TRIO-A-STRIPE」A-things、東京
2005 「造形学部卒業制作大学院修了制作優秀作品展」武蔵野美術大学、東京
その他
2008 第23回 ホルベインアートスカラシップ奨学生
パブリックコレクション
神奈川県立近代美術館 葉山
Stripe 05(Kiwaku) 2006-2008 油絵具、膠、MDFボード、木材 43×49×6.5 cm
From 8-1 ~ Form8- 6 2007 油絵具、蜜蝋、膠、MDFボード、木材 各13×24×5.5 cm
From 9-2 2007-2009 油絵具、膠、MDFボード、木材 16×24×5 cm
From 9-3 2007-2009 油絵具、膠、MDFボード、木材 16×24×5 cm
参考文献
2014 11/13 長沢秀之(武蔵野美術大学教授)「つくることのノイズ」
1/18 林道郎(美術史/美術批評)「明るい複雑と、「不在」の配分」
2011 1/17 是枝開 インタビュー「Primary Field Ⅱ」展カタログ
2009 9/17 美術手帖2009年10月号「Go! Artists Go!」
Biography
1980 born in Fukushima, Japan
2005 Musashino Art University, Painting Course ( MA ), Tokyo, Japan
Solo Exhibitions
2017 “if else if”GALLERY ZERO, Osaka, Japan
2016 “rearrangement”SOH GALLERY, Tokyo, Japan
“around and around”A-things, Tokyo, Japan
2015 “2×4×2+0”GALLERY ZERO, Osaka, Japan
2014 “BACKGROUND”gFAL, Tokyo, Japan
“drive in the house”HARMAS GALLERY, Tokyo, Japan
2011 “color-colar-colar”A-things, Tokyo, Japan
2009 “New Work”youkobo ART SPACE, Tokyo, Japan
“Scrutinize”A-things, Tokyo, Japan
2007 “New Work”, Art Trace Gallery, Tokyo, Japan
2006 “New Work”, Art Trace Gallery, Tokyo, Japan
Group Exhibitions
2014 “Dynamics of expression”, HARMAS GALLERY, Tokyo, Japan
2012 “L×W×H”A-things, Tokyo, Japan
2011 “TRIO-A-DOT”A-things, Tokyo, Japan
2010-11 “Primary Field Ⅱ”The Museum of Modern Art Hayama, Kanagawa, Japan
2010 “TRIO-A-GRID”A-things, Tokyo, Japan
2009 “Cyborgs Dream”Art Trace Gallery, Tokyo, Japan
“TRIO-A-STRIPE”A-things, Tokyo, Japan
2005 “Selected Works from Musashino University Degree Show”Tokyo, Japan
Awards
2008 The 23th HOLBEIN Scholarship
Public Collection
The Museum of Modern Art Hayama
Stripe 05(Kiwaku) 2006-2008 oil, glue, Medium Density Fiberboard, wood 43×49×6.5 cm
From 8-1 - From 8-6 2007 oil, beeswax, glue, MDF, wood each: 13×24×5.5 cm
From 9-2 2007-2009 oil, glue, MDF, wood 16×24×5 cm
From 9-3 2007-2009 oil, glue, MDF, wood 16×24×5 cm
Bibliography
2014 11/13 Hideyuki Nagasawa (Professor of Musashino Art University),
1/18 Michio Hayashi (Art history|Art critic),
2011 1/17 Hiraku Koreeda (curator), Inteview (Exhibition catalogue), The Museum of Modern Art Hayama
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