保坂毅:Takeshi Hosaka
“ if else if ”
2017, Oct. 28 ( Sat. ) ー Nov. 18 ( Sat. )
「 if else if 」
そこに何もないのは退屈なので、もしもを壁に掛けてみた。
もしもはいつも異なる貌を覗かせるので、つられて僕はもしもと踊る。
elseの囁きに揺れながら、もしもの問いに答える度に、新たなもしもが現れる。
保坂毅 2017
保坂は2005年武蔵野美術大学大学院油画コースを修了しています。保坂はキャンバスの画面と側面という形体に注目し、立体としての絵画と、それによる空間の関係を現在まで探求し続けています。前回の2015年の個展では、モノクロのストライプの小立体絵画作品が16点、画廊空間に整然と並べられストイックな雰囲気を醸し出していました。「if
else
if」と題された今回の展示では、打って変わってカラフルな2色使いの作品がお目見えします。2色使いの平面と、その背後にはそれぞれ対する色の陰影が白い壁に投影されている作品は、複雑な色彩空間を表現しています。ミニマルな表現を用いながらもウイットにとんだ保坂の作品は、軽やかにステップを踏みながらミニマルアートの可能性を広げています。論理的で根源的な嘗てのミニマルアートはマッチョでストイックな風貌ですが、例えばアン・トルットの様な作家の作品が追い求めていた試みが、この日本の保坂という感性の基花開こうとしているのだと言えはしないでしょうか。保坂は現在まで、彼自身の最も内的で個人的な感受性に基づきながらも、それを毅然とした態度で望み、表現・制作し続けています。カラフルな色彩に導かれるこの度の画廊空間は、新たな試みで彩られる事でしょう。