桑原正彦:Masahiko Kuwahara
2023 「桑原正彦:Masahiko Kuwahara 1959 - 2021 “ Blue ”」
2022 「桑原正彦:Masahiko Kuwahara 1959 - 2021 “ Summer Snow ”」
2012 「はなとゆめ:Flowers and Dreams」ドローイング展
2011 「成形肉」
2002 「浸透」
2000 「青空」
1998 「虹色」
1997 「翳のない浜辺」
1996 「埋めて忘れなさい」
桑原正彦 1959 - 2021
桑原正彦は1959年に東京で生まれました。様々な職業を経る中で、ほぼ独学で絵画の制作を始めた様です。なので美術大学の経歴はありません。描きたいものと、どの様に描く・表現するかを明確に見据え、画家として生きて行く事を決めた男なのです。桑原の絵画に出てくる稚拙でポップな図像は、その表面的な雰囲気とは正反対のシリアスで社会的な桑原の思考の賜物なのです。それは高度成長期の日本における国土の開発と大量生産・大量消費がもたらす繁栄と歓喜、それと表裏一体となった公害問題や環境破壊に見舞われた日本の姿であり、桑原はそのことを現代日本の「風景画」として描いていたのです。桑原が描く一見可愛い女性や生き物は、現代日本が生み出した諸問題の、いわばアバターと言えるものなのです。例えば今回展示する「リナロール」。白鳥の背に乗った甘色の髪をした少女。ロマンチックな作品のそのタイトル「リナロール」は、香料の成分名なのです。また稚拙な描き方は、美術大学、美術教育を受けていない彼があえて実行した、素人っぽさ・自由さの表現であり、桑原の絵画の魅力と言えます。彼は生涯その表現方法を洗練させ続けたのです。そんな桑原は、1995年のAKI-EX ギャラリーでの「石油化学の夢」で画家としての本格的なスタートを切リました。そしてその翌年、伝説となった平塚市美術館の「TOKYO POP」展に選ばれることになります。今後彼の業績は再評価の対象となる事でしょう。
Masahiko Kuwahara was born in Tokyo in 1959. He seems to have started painting almost entirely on his own, while working in a variety of occupations. Therefore, he has no background in art college. He is a man who decided to live his life as a painter with a clear vision of what he wants to paint and how he wants to paint and express himself. The poor and pop-like images that appear in Kuwabara's paintings are the result of his serious and social thinking, which is the exact opposite of the superficial atmosphere of his paintings. Kuwabara's “landscape paintings” of contemporary Japan depict the prosperity and joy brought about by the development of the country, mass production, and mass consumption during the high-growth period of Japan, as well as the pollution problems and environmental destruction that were inextricably linked to this prosperity and joy. The seemingly cute women and creatures that Kuwahara depicts are avatars, so to speak, of the various problems that have arisen in contemporary Japan. Take, for example, “Linalool” in this exhibition. A girl with sweet-colored hair rides on the back of a swan. The title of this romantic work, “Linalool,” is the name of an ingredient of perfume. Kuwahara's poor drawing style is an expression of his amateurishness and freedom, which he dared to express without having received any education at an art college or art education, and can be said to be the charm of his paintings. He continued to refine his way of expression throughout his life. Kuwahara made a full-fledged start as a painter with “Petrochemical Dreams” at AKI-EX Gallery in 1995. The following year, he was selected for the legendary “TOKYO POP” exhibition at the Hiratsuka Museum of Art. His work will be the subject of reevaluation in the future.
略歴:Biography
1959 ー 2021 東京生に生まれ歿する
個展
2023 「桑原正彦 1959 - 2021 “ Blue ”」GALLERY ZERO、大阪
2022 「桑原正彦 1959 - 2021 “ Summer Snow ”」GALLERY ZERO、大阪
2022 「桑原正彦 ( 1959 - 2021 ) 」小山登美夫ギャラリー、東京
2020 「heavenly peach」小山登美夫ギャラリー、東京
「dreamy star pochette」GALLERY ZERO、大阪
2019 「夏の日」8/ART GALLERY/Tomio Koyama Gallery、東京
2017 「fantasy land」小山登美夫ギャラリー、東京
2015 「あかるい日」8/ART GALLERY/Tomio Koyama Gallery、東京
2012 「はなとゆめ」ドローイング展 GALLERY ZERO、大阪
「夢の中だけで」小山登美夫ギャラリー、東京
2011 「成形肉」GALLERY ZERO、大阪
2010 「とても甘い菓子」小山登美夫ギャラリー、東京
2008 Richaed Heller Gallery、サンタモニカ、カリフォルニア、アメリカ
「窓」小山登美夫ギャラリー、京都
2007 「夏の終わりに」小山登美夫ギャラリー、東京
2005 「土地開発」小山登美夫ギャラリー、東京
2004 Galerie 20.21、エッセッン、ドイツ
2003 「アニマルズ」TKGY at lammfromm、東京
2002 「浸透」GALLERY ZERO/inert. gallery、大阪
「工場跡地」事画廊、岡山
2001 Richaed Heller Gallery、サンタモニカ、カリフォルニア、アメリカ
ガレリアミーシャ、高松、香川
「暮らしと膿」小山登美夫ギャラリー、東京
2000 「ビューティフル・ドリーム」キャンバス・インターナショナル・アート、アムステルダム、オランダ
「青空」GALLERY ZERO、大阪
「海岸」事画廊、岡山
1999 「眺め」小山登美夫ギャラリー、東京
1998 「虹色」GALLERY ZERO、大阪
1997 「棄てられた子供」小山登美夫ギャラリー、東京
「翳のない浜辺」GALLERY ZERO、大阪
1996 「埋めて忘れなさい」GALLERY ZERO、大阪
1995 「石油化学の夢」AKI-EXギャラリー、東京
1990 田村画廊、東京
1984 田村画廊、東京
グループ展
2023 「花好きで」伊勢丹新宿店本館6階アートギャラリー、東京
2021 「花と鳥」小山登美夫ギャラリー、東京
2020 「顔」小山登美夫ギャラリー、東京
「梅津庸一キュレーション展 フル・フロンタル 裸のサーキュレイター」日本橋三越本店本館6階コンテンポラリーギャラリー、東京
2019 「『新しい具象』とは何だったのか?90年代のニュー・フィギュラティヴ・ペインティングをめぐって」パープルームギャラリー、神奈川
2018 「現代アートの宝物 OPAM 利岡コレクション」大分県立美術館、大分
2015 「柏原由佳・川島秀明・工藤麻紀子・桑久保徹・桑原正彦・福井篤 作品展」8/ ART GALLERY / Tomio Koyama Gallery、東京
2014 「小山登美夫ギャラリーグループ展」TOLOT/heuristic SHINONOME、東京
2013 「超京都 2013 平成の京町家」平成の京町家 モデル住宅展示場 KYOMA、京都
2012 「桑原正彦 奈良美智 杉戸洋 作品展」小山登美夫ギャラリー シンガポール、シンガポール
2011 「常設特別展 Art in an Office - 印象派・近代日本画から現代絵画まで」豊田市美術館、愛知
「Happy Mind - my view」MISAKO & ROSEN、東京
「Pathos and Small Narratives」Gana Art Center、ソウル、韓国
2008 「トンちゃん・アート展 ハコビでBOO!」北海道立函館美術館、函館、北海道
2007 「MIXED SIGNALS」Ronald Feldman Fine Arts、ニューヨーク、アメリカ
「ポートレイト・セッション」ナディフ、東京/広島市現代美術館、広島
「Oコレクションによる空想美術館」トーキョーワンダーサイト本郷、東京
「Summer Show」小山登美夫ギャラリー、東京
2006 「マジカル・アート・ライフ」トーキョーワンダーサイト渋谷、東京
「10周年記念」小山登美夫ギャラリー、東京
2005 「Japan Pop」ヘルシンキ市立美術館、フィンランド
2004 「The Japanese Experience - Inevitable」ザルツブルグ近代美術館、オーストリア
「リボンの騎士の秘密の森」M.Y.Art Prospects、ニューヨーク、アメリカ
2003 「Japan Rising」パーム・ビーチ ICA、レイクワース、フロリダ、アメリカ
2002 「エモーショナル・サイト」小山登美夫ギャラリー(佐賀町食糧ビル)、東京
「The Japanese Experience - Inevitable ?」Ursula Blickle Stiftung 財団、クライヒタール、ドイツ
「POPjack : Warhol to Murakami」デンバー現代美術館、コロラド、アメリカ
2001 「Playground」Galeria Pedro Cera、リスボン、ポルトガル
「いそがばまわれ」GALLERY ZERO、大阪
「Jap in a Box」Stephen Friedman Gallery、ロンドン
2000 「Drawn From Life」Marianne Boesky Gallery、ニューヨーク、アメリカ
「Yume no Ato」Haus am Waldsee、ベルリン/Staatliche Kunsthalle、バーデンバーデン、ドイツ
「Landscape My Ass」Vedanta Gallery、シカゴ、アメリカ
1999 「サンプリング」Ronald Feldman Fine Art、ニューヨーク、アメリカ
「SOAP」GALLERY ZERO、大阪
Jack Hanley Gallery、サンフランシスコ、アメリカ
1996 「ラブソング」GALLERY ZERO、大阪
「TOKYO POP」平塚市美術館、神奈川
1993 真木田村画廊、東京
1991 東京都美術館、東京
ギャラリーサージ、東京
1983 ギャラリーパレルゴン、東京
パブリックコレクション
フラワーマンコレクション
オルブリヒト・コレクション
トヨタアートコレクション
関連書籍
“ The Japanese Experience : Inevitable ” 村上隆・カイカイキキ・タカノ綾・桑原正彦・奈良美智・杉戸洋・三宅信太郎・長谷川純/Margrit Brehm・編集/Hatje Cantz 2003
文献
松井みどり「桑原正彦/眺め/ストレンジ=ペインティング」STUDIO VOICE、1999年8月号、p.85
「日本の次世代絵画、新しいリアリティのつかみ方」美術手帖、1998年11月号、p.78
工藤キキ、アーティストインタビュー ポパイ、1998年9月10日号、p.89
「桑原正彦展」(展覧会案内)骰子、1997年11月号、p.70
渋沢和彦「桑原正彦/石油製品から描く風景」産經新聞、1997年7月19日 夕刊
北大路隆史「桑原正彦/棄てられた子供」(展評)美術手帖、1997年5月号、pp.126-127
「末期的社会のミュータント 桑原正彦」芸術新潮、1997年5月号、p.99
小松崎拓男「ぼくらの時代の美術ー先駆けるものたちへ」『TOKYO POP』(展覧会カタログ)平塚市美術館、1996年、pp.5-10
展覧会案内 ぴあ、1995年10月17日号、p.196