5. 12 ( Sat. ) — 6. 2 ( Sat. )
末永 史尚:Fuminao SUENAGA
“ 形づけ:Form ”
GALLERY ZEROでは、2018年5月12日土曜日より6月2日土曜日までの3週間の日程で、末永史尚の個展「形づけ:Form」を開催致します。
2015年の「アンシャープ」展では、愛知県立美術館所蔵作品と同寸法の額縁の絵画作品を展示する事で、作品を取り巻く環境というものについての末永の考察が垣間見れるものでした。今回の「形づけ」展ではさらにその周辺に末永の考察は及ぶに至った感が有ります。
末永は言います。「造形の対象にされていないようなものに注視し、オブジェクトとして形にしていったものが最近の自分の作品だと認識しています。「対象にされてきたもの」は既に行いに名前のついた既知のものであり、そうでないことに目を向け、解釈して形を与える(時間と場所を超えて共有できるものにする=作品化する)こと、を考えています。」
トーマス・デマンドは厚紙で再現した室内外を撮影した写真作品で知られています。本物と見紛う写真は、無機的で不思議な感覚を観る者に与えます。またマグリットのこれはパイプではないと言う作品ではストレートに絵画の本質を暴いています。末永はこれらの作品の要素を含みながらも、より観る者に近しい視点を持って制作しているのです。末永のハンドメイドオブジェはリアルさより素朴さが際立ち、名を奪いながらも何であったかの想像はつく形体をしています。私達はそのオブジェを、現実の状態では使用しないニュートラルな状態で目にする事になります。デマンドやマグリットの作品は作家からの提示ですが、末永の作品はある意味観客に判断を委ねているというスタンスが伺えるのです。モランディの重厚な静物画が、良く観るとあり得ない空間にだまし絵のように描かれている様に、末永の空間も様々な何故が含まれているのです。そんなトリッキーな空間を是非お楽しみ下さい。そしてご自分なりの絵画の何故に思いを馳せて頂けましたら幸いでございます。